荒川前岳〜赤石岳〜聖岳
2018年のお盆休み翌週、念願の南アルプス南部縦走をしてきました。
毎年夏山シーズンになると、山と高原地図(アプリ版)の「塩見・赤石・聖」とにらめっこしながら計画を立てていましたが、アクセスの悪さや通行止めが多発する林道の不安定さなどからなかなか訪れる事が出来ずにいました。
南アルプス南部の玄関口である畑薙第一ダムから、周回コースの拠点となる椹島へのシャトルバスを利用するには特定の山小屋に宿泊をする必要があります。小屋泊まり派の人にとってはバス料金が実質無料になるのでお得ですが、テント派にとっては辛いシステム。
なので、長野県側の鳥倉から入って畑薙へ抜ける、シャトルバスを利用しないコースで歩く事にしました。
まずは今シーズン2度目となる三伏峠から烏帽子岳へ。北側には先月訪れた塩見岳や仙丈ヶ岳などが見えました。
続いて小河内岳。直下の避難小屋は素晴らしいロケーションですね。このエリアでは避難小屋と名がついていてもシーズン中は管理人が常駐し、営業小屋扱いになっている所が多いです。
高山裏避難小屋から荒川前岳まではおよそ600mの過酷な登り返し。この圏谷ですれ違った女性の行程(塩見岳〜蝙蝠岳〜二軒小屋ロッヂ〜悪沢岳)、かなりハードなコースですが、とても参考になりました。いつか歩きたい。
鋭い斜面を越えて、荒川前岳へ登頂。奥の赤石岳がとても格好良くて明日への期待が膨らみました。
荒川小屋方面への下りはお花畑。標高2700mくらいだと思いますが鹿よけネットやゲートがありました。鹿ってすごいね。
14時くらいに荒川小屋に到着。初日は9時間弱の行動。美味しいカレーをいただきました。
穴場と見込んでいたテント場、予想よりもさらに少ない5,6張で眺めも良く、携帯の電波も入ってとても気に入りました。夜中はかなり冷え込んだので、お湯を沸かしてスープを飲みました。
翌朝は素晴らしい天気。まだ少し肌寒かったのでレインジャケットを着て行動開始です。
赤く染まる登山道。こういう時間に森林限界上を歩けるのがアルプス泊まり登山の醍醐味だと思っています。朝早いうちにこの山旅のメインと考えている赤石岳に登りたかったので南下ルートを選択して正解でした。
やったー!ついに赤石岳に来る事ができました。久しぶりに山頂で写真を撮ってもらったら、逆光のおかげで良い感じにプライバシーに配慮した仕上がりになりました。
直下にある小屋前で休憩をした後、次は聖岳を目指してまずは百間洞山の家へ。
百間平からググッと樹林帯まで下降すると、程なくして百間洞山の家に到着。時刻はまだ8時くらいでしたが何か食べものがあるか聞いてみたところ、ちょうどカツサンドが出来上がったとのこと!名物のトンカツは衣がサクサクでめちゃくちゃ美味しかったです。いつかまた食べに来たいと思いました。今度は夕食で白いご飯とともに。
ここからがまたエゲツないアップダウンの繰り返し。兎岳から聖岳への登り返しを見た時は頭を抱えました。
最後に急斜面をグッと登りつめると、南ア最南端の3000m峰、聖岳に到着。時刻は正午を過ぎていましたが、まだガスも上がってきておらず360度が見渡せました。
延びていたトレイルがほぼ平坦だったので空身で奥聖岳を往復してから、この日のキャンプ予定地である聖平小屋を目指します。聖山頂からの下りは結構急なザレ場でした。
この日も14時くらいに宿泊地に到着。テントの受付をして聖平小屋名物ウェルカムフルーツポンチをいただきました。昨晩の寒さで予定外に消費してしまったスープのかわりにカップヌードルを購入して食べたりしてから割と早めに就寝。
最終日朝は弱い霧雨混じりの天気。レインを着るほどではなかったので薄手のウィンドブレーカーを羽織りました。
上河内岳の肩で雷鳥の群れに遭遇。南アルプスでは初めて会えました。
茶臼小屋からの下りは思っていたよりもずっと良い道でした。5本の吊橋を渡り、最後にラスボスの畑薙大吊橋へ。広河原から縦走して来れば、吊橋にはじまり吊橋に終わるコースがとれて良いなと思いました。
林道を30分弱歩いてゴール地点の沼平ゲートに到着。予約してある新宿行きの毎日あるぺん号の出発まで3時間くらいあったので、水道で身体を洗ったり、無人の登山センターの軒先にツェルトを干したりしながら日陰で待ちました。ここはトイレすらないので、次来る時はコースタイムで+1時間半の赤石温泉白樺荘まで下ってバスに乗った方が良いかなと思いました。
バスは白樺荘で1時間の入浴休憩の後、2時間ほどボコボコの峠道を進み高速道路へ。事故渋滞に巻き込まれながらも、21時過ぎには東京へ帰る事ができました。