ささゆーの登山ブログ

急に山に登りはじめた

トレニックワールド彩の国 100km 2022

2022年5月21〜22日に埼玉県奥武蔵・秩父エリアで開催されたトレニックワールド彩の国100mile&100kmの100km部門に出場してきました。

TW彩の国の100mile部門は制限時間の短さと厳しいコース設定から、初回の完走者が0人、その後の大会の完走率も軒並み10%台前後という低さで、国内最難関の100mileレースとも言われいます。

ただ、僕が100kmに出場を決めた理由は単純で、東京から前泊不要で出場できる数少ない長距離トレイルランニング大会だったからです。コースの厳しさ等はエントリー後に詳しく知りました。

100kmの部はスタート&ゴール会場のニューサンピアおごせを中心に、North・Southを各1周するコース。ルートが分かりにくいとの情報だったので数回に分けて事前に試走、本番はマーキングもしっかりしておりロストせずに済みました。

レース当日は午前5時ごろに自宅を出発、越生駅に7時ごろ着、そこからシャトルバスでサンピアに向かいました。7時半くらいには受付を済ませ、余裕を持って準備ができました。

 

装備は無印良品の化繊Tシャツ、ファイントラックのドライレイヤーとアームカバー、パタゴニアストライダープロショーツ5インチ、レインウェアはノースフェイスストライクトレイルフーディ、ザックはサロモンのADV SKIN5、シューズはアシックスのトラブーコ9にしました。

スタートゲートに10分くらい前に着くと皆さん割と後ろの方に並んでおり、計らずも前の方(20〜30番目くらい)からのスタートとなりました。

代表の掛け声でいざスタート、一旦会場の裏山を少し登ってから3kmほどロード区間に入ります。ここで少しオーバーペースになってしまい、だいぶ前の方でトレイル入口(民家の脇です)へ。心拍も170以上になってしまったので少し落ちつこうとザックから物を出すフリをしつつ何人かに抜いてもらいます。

10km以上走ってようやくペースも落ち着いてきた頃、前後して走っていた方に目標タイムを聞かれたので「出来れば24時間以内で」と答えたら「この位置だとだいたい20時間くらいのペースだよ」と教えてもらいました。本当かなと思いましたが、ネタバレすると本当でした。

2時間と少しで第1エイドステーションの刈場坂峠に到着。この大会の計測はリストバンドを機械にタッチする仕組みでした。ここでは水分とフルーツを少し補給して先に進みます。雨も結構降ってきてコースの一部は滝のようになっていたり、白石峠に下る道はドロドロの滑り台のようになっていて、階段では滑って転んで怪我をした選手もいたようです。

 

第2エイド、堂平キャンプ場へ到着。ここは直前でコース変更となった部分ですが、ちょうど試走の時にトイレに寄った場所だったので迷わずに済みました。このエイドから、美味しいと評判のエイド食が充実してきます。スープパスタとコーラをいただき、水道でドロドロの手と顔を洗って出発。

 

ここから次のエイドまではバリエーションルートも多く結構登らされるイメージでした。途中には私設エイドもあり、バナナをいただきました。金嶽を越えて第3エイド慈光寺へ。

ここではヘッドライトのチェックがあるとの事だったので、ザックを降ろさなくても手が届く位置のポケットにペツルの小型ライトを入れておき、すぐ出せるようにしておきました。お稲荷さんを2つ食べてエイドを出ます。少し下って町に出るとやや長めのロード区間を経て急登の新柵山へ。

結構キツい区間で足も重くなっていましたが、雨は止み、前後の選手との差も開いている感じだったのでマイペースで進みます。

North最終エイドである、くぬぎむら体験交流館へ。廃校をリノベーションした施設のようで、エイド自体は外側に設けられていましたが、トイレは旧校庭を通って奥へ行ったところにありました。ここではフールツサンド2つとヤクルトを頂き出発。

下り基調の林道を過ぎると、序盤に通ったコースを戻る区間を絡めつつ、追加でひとつ山を越えてサンピアへ戻ります。

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会場直前では宮里藍さんのエアーサロンパスの看板が出迎えてくれました。この時点では、あと53km進めるのか不安になるくらい足取りは重かったです。

 

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サンピアINの端末にタッチをした後に、まずは奥にある水道ホースで泥を落とさせてもらってからカレーライス&うどん+ウインナーを頂き体育館へ、100km男子の荷物は出入口から最も遠い位置に置いてあります。

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ウェア上下に下着と靴も全部着替えて、補給食とゴミを入れ替え等していたら30分以上経過していたようです。出発前に会場のモニターを見ると総合25位くらい、思っていたよりかなり前の順位でした。

1時間もすれば暗くなるのでライトを装着してサンピアを出発。休んだおかげなのか、足は結構動きました。South最初のエイド桂木観音までは割と走れるコース、エイドでは杏仁豆腐をサッと吸い込んで先に進みます。

鼻曲山、一本杉峠を越えて険しいスカリ山の登りへ。この辺りで2時間先にスタートしていた100mileの選手をパスすることが増えてきました。追い越す際に、頑張りましょうとか声を掛けるのもおこがましい気がしたので「ちゃーす」的な曖昧な声がけをしながら進みました。奥武蔵グリーンラインやユガテを抜け第7エイド東吾野へ到着。

ここではクリームシチューとスモークチキンサンドを椅子に座って食べました。

 

踏切を渡り天覚山の登りへ。ここからはアップダウンの激しいレースの核心部に入って行きます。みんなペースが落ちてきたのか、100kmの選手を何人か抜き返しはじめました。

竹寺の手前で雨もまた強く降り出して、股擦れも気になりはじめたので、保護クリームを塗ろうとザックを開けると、レース前後に使うために預け荷物に入れたつもりだった大容量モバイルバッテリーや虫除けスプレーという余計なものを持ってきてしまった事に気付きました。

急に荷物が重く感じはじめた頃に竹寺エイドに到着。100mileの選手なのか、何人かグッタリと横たわっていました。豚汁と稲荷寿司3個(慈光寺とは別の三角タイプ)をいただきました。

子の権現を経て一旦線路沿いに下りてから、西吾野駅脇の狭いトンネルを抜け再びトレイルへ、関八州見晴台を目指して高度を上げていきます。途中、高山不動から少し上がった所に第9エイドがありました。肉うどんを啜ってパワーを蓄えSouth最高地点の関八州見晴台を越えます。

石がゴロゴロとした四寸道を通り、時折舗装路を交えながら少しずつゴールに近付いている感覚がありました。

最終エイド桂木観音に戻ってくる手前で走れる区間も増えてくると、立て続けに3人の選手に交わされました。登り区間では再び追いつきますが、下りでまた離されてしまう展開が続きました。

桂木観音でトイレと軽い補給を済ませて、レースは残り6kmほど、薄明るくなってきた道を進みます。下りの足が終わっていて速度が出せませんが、なんとか小走り・早歩きでゴールを目指します。再び宮里藍さんの看板が見えた時はとても嬉しかったです。

朝5時過ぎに無事ゴールへと辿り着きました。モニターの表示を見ると、20時間16分で総合20位のようで嬉しい結果でした。

経過を確認すると、急峻な登り基調の区間で順位を上げられているので、そういうレースの方が自分には向いているのかなと思いました。

6時から入れるお風呂で汗を流し、8時のシャトルバスで帰路につきました。

レース直後の足は限界で、Southコースをもう1周する100mileの部は信じられない気持ちでしたが、少し時間が経った今、いつか挑戦したい思いがゼロではない事に、薄々気がついている今日この頃です。